IELTS NEWS 第2回 面接のコツ-その2
面接のコツ-その2
前回、IELTSの面接では、「柔軟」で「自然」な英語を操ることが大事だとお話ししました。機械的でなく、暗記に頼らない英語をアピールするための3要素(笑顔、相槌、表現の言い換え)から、これから数回に分けて「表現の言い換え」について書いていきたいと思います。
「言い換え」の伝統
英語には様々な特徴がありますが、一つ挙げるとすれば、言い換え表現を多用するところにあると思います。日本語は同じ語を繰り返す傾向がありますが、英語は同じことを伝えるにもとにかく単語を言い換え、構文を言い換え、異なる表現を使います。この傾向は日常生活でも、アカデミックな場でも変わりません。
米国の大学院に留学したばかりの頃、シソーラスという同義語辞典を片手にエッセイを書くアメリカ人学生の姿に、驚きを覚えたものです。留学生の私以上に彼らは辞書を引き、言い換え表現を調べ、エッセイを書いていました。「言い換え」は英語という言語の特徴であるだけでなく、書き手(話手)の教養や教育の高さを示す大事なスキルなのです。ちなみに1805年に英国でPeter Mark Roget によって最初に出版された同義語辞典は、Roget’s Thesaurus というタイトルでした。
もともと thesaurus はギリシア語で「宝物庫」を意味しますので、タイトルを直訳すると「ロジェの宝物庫」(大抵は「ロジェの宝典」と訳される)ということになります。言葉の「宝物庫」を漁って、適切な言い換え表現を探す学生たちは、ヨーロッパやアメリカの大学・大学院生のあるべき姿なのかもしれません。
IELTSで求められる「柔軟」で「自然」な英語も、こうした伝統に根ざしています。西洋の最高学府で学ぶ皆さんには、洗練され、教養のある英語が必要とされているのです。ですから、適切に表現を言い換えることで、自分の高い英語力がアピールでき、IELTSのハイスコアにつながっていくのです。