IELTS NEWS 第3回 IELTS面接に必要な「言い換え」
日本語の小説やエッセイを読むと、同じ表現が繰り返し使われていることが多々あります。日本語ではそれがとても自然です。しかし英語で同じ表現を繰り返すと、非常に不自然に感じられるのです。IELTSの面接では、日本語の頭を切り替えて、英語仕様にする必要があります。
以前米国で翻訳の仕事をしていた時のことです。日本のある短編小説を英語に訳していたのですが、自分の翻訳原稿に同じ単語が何度も繰り返し使われているのに気がついて、愕然としたのを覚えています。実際日本語の作品では、「暗闇」という単語が繰り返し使われており、それでも不思議にも、不自然にも感じなかったのです。しかし、英語で ‘darkness’ が何度も登場するのを目にすると、やはり奇妙に感じてしまいます。私は自分の違和感を確かめるために、何の説明もせずにアメリカ人の友人に原稿を読んでもらいました。彼女は「 ‘darkness’ の長い行進だね」と笑って、単語を言い換えることを勧めてくれました。’Darkness’ マーチは、相当におかしかったようです。
英語で話す場合、例えば美しい風景を表現するにも、beautiful 一辺倒では感動が伝わりません。Beautiful → Pretty → Lovely → Gorgeous と表現を言い換えていくことで、奥行きのある英語になります。単語単位だけでなく、構文単位でも同じことが言えます。同じ構文ばかり使っていては、試験官に機械的な印象を与えてしまいます。「自然」で「柔軟」な英語力をアピールするには、普段から「言い換え」を意識して英語に接することが大切です。また適切なトレーニングを積むことも重要になってきます。
確かにIELTSはスコアを測るテストですが、IELTSが求める英語力というのは、ネイティブにとってごく自然な表現なのです。